kiroku

不確かなこと

2016-01-01から1年間の記事一覧

雪の日の記憶を共有する

「雪ふってるの、初めてみたんです。しんしんと、静かにふるんです。」 「雪は音をすうから。雪の日の夜はいつも以上に静かだよ。わたしはそんな日は決まってソファーに寝転んで、降り続く雪を眺めるの。うちは窓が大きいから、よく見える。外は本当に真っ暗…

近所の公民館

この日は天気が悪く、でもぎりぎり雨は降っていなくて湿気と、雨が近い匂いがあたりに充満していた。「空間みんなの風景」の製本は公民館の長机で作業された。 作業中、どこか懐かしい感じがしていた。でもこの懐かしさはあまり喜ばしい懐かしさではなく、む…

文フリ/エ52

沖縄も冬の兆しがみえる。 もう半袖では寒いし、寝て、目が覚めてからの雰囲気にはもう、少しさみしさがある。 そういうことってある。 今年の思い出が多すぎて、いつから今年なのかがわからない。 芸大祭が終わって、わたしたちの展示は5月の文フリから始…

木々との対話

牡羊 見る角度によって変わるガラスの目が悲しそうに光っていた 東京都美術館で開催中の「木々との対話」展、土屋仁応の木彫 他の作品もどれも愛おしさがあった

都市伝説

好きだったのか好きじゃなかったのか、そんな人とお茶した帰り道の話。 昔からあるパン屋さんの前を通りすぎた時、 「ここのパン食べたら次の日お腹壊すっていう都市伝説があったの知ってる?」 とその人が言った。 小学生の頃から知ってるパン屋なのに、私…

吉増剛造展

めちゃめちゃ暑い日だった。 東京は沖縄に比べて涼しいと思ったけど、ビルのせいかな…すごく暑い。 吉増剛造展に行った。 展示室が迷路みたいに順序が複雑で入った一瞬迷子だった。 中ではどこかから音声が流れていて、黒い薄いカーテンがゆらゆら揺れていて…

灯台へ

『灯台へ』ヴァージニア・ウルフ作御輿哲也訳岩波文庫第一部「窓」p.38~遠くの砂丘を眺めやりながら、ウィリアム・バンクスは昔のラムジーのことを思い出していた。 …… 一群れのひよこをかばうように羽根を広げた雌鶏の姿がラムジーの目にはいったからで、彼…

映画『ふたり』

大林宣彦監督作品、1991年公開の映画『ふたり』のページです。原作は赤川次郎。 途中までみんな読めます。 この映画は「おすすめのゆり」で実加役の石田ひかりの声が可愛いと書きました。お姉ちゃんはいつも実加のそばで見守ってくれています。YouTubeに予告…

美少女戦士セーラームーン①

5月1日の文学フリマで書いた「おすすめのゆり」をみなさんとお話ししようの 『美少女戦士セーラームーン』コーナーです。 全5シリーズありますが、みなさんはどの時期が一番好きだったでしょうか。わたしはリアルタイムではなく再放送を従姉妹と見ていたの…

文フリが終わって

人生初の文フリは、動揺していました。コピー機に大事なファイルを忘れていったり、設営時間に間に合わなかったり、朝に事件が色々と発生しました。 会場で話していただいた方、身振り手振り大きくかみかみで、あと、ちんすこう食べながらの対応とかごめんな…

文学フリマ東京 コ-27

5月1日に東京流通センターでおこなわれる第22回文学フリマに参加することになりました。今回は大学の友人三人で「みんなのゆり」をテーマにそれぞれ、「おはなしのゆり」「まんがのゆり」「おすすめのゆり」を書きました。わたしは「おすすめのゆり」担です…

人はついこの間まであったところに新しいものが建つと、以前ここに何があったかを思い出せなくなる。壊れゆく過程も見ていたのに。 こうやって世界は日々新しく作られていくのだろうか。過去を少しも残すことなく建てられた建物も建てられたその日から少しず…