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kiroku

冬の陽の短さ

都市伝説

 
好きだったのか好きじゃなかったのか、そんな人とお茶した帰り道の話。
昔からあるパン屋さんの前を通りすぎた時、
 
「ここのパン食べたら次の日お腹壊すっていう都市伝説があったの知ってる?」
 
とその人が言った。
小学生の頃から知ってるパン屋なのに、私はその話を全く知らなくてびっくりした。お店からしたらすごく迷惑な噂だけど、今聞くとちょっとおもしろい。その都市伝説はいつからあるのか。いつからあるのか聞いておけば良かったなーと思ったけど、そのパン屋はケーキも売っていて、私の家族はよくそこのケーキを食べていた。ケーキだったからお腹壊さなかったのかな、ってその人に言ったら、その後なんて返事返って来たかは覚えてないけど、多分、そうかもね、とかそんな返事だったかもしれない。
今日そのお店の近くを歩いた時にふと思い出して、昨日か一昨日かが弟の誕生日だったらしいからケーキを買った。「幸せモンブラン」。400円だったところ、時間が遅かったからか、300円にしてくれた。帰ったら早速弟にあげてみる。ただ、買ったのがまたケーキだから都市伝説が嘘か本当かはわからない。
 
その人は昔にあったことだと言った。きっと私たちが小学生くらいに生まれた噂なのだろう。最初の言葉の後、かっこで「でも今は消滅してしまったよな、」と続きそうなところに切なさを感じたけど、でもその人が話してくれたことで、私の中で生きるし、私が誰かに話したらまた生きる。
 
都市伝説は蘇る。
 
そういう会話をしたことを覚えていたことがなんだかとても嬉しかった。