kiroku

冬の陽の短さ

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久しぶりに博物館に行った。小さくてこじんまりしたところだけど、

わたしの元気の源で、展示される化石とか骨格標本をみるとどうしてもエリザベス・ハンドの「冬長のまつり」を思い出してしまって胸が熱くなる。時間をとってまた読みたい

 

宙に浮いている鯨たちをみて遠くなる

 

 

春。

 

北と西と、山に囲まれている地いる。

車で1時間も走れば麓の方まで近づく距離にはいるけれど、近づかなくても他に山を遮るような大きな建物はないから、マンションの庭からも会社からもどこからでも見える。

それが心の癒しというか、仕事で外に出た時に建物の間からまだ雪の残る山が見えると、今日もこの地を愛せると思えるのだった。

 

昨日は春だった。

桜は満開。公園に花見しに行ったら桜と一緒にこぶしの白い花が咲いていた。

「この国は桜が咲くのは遅いから、むこうのひとが桜を見ている時に、こっちはこぶしの花を見る。って演歌で言ってた」

こぶしは至る所に生えていて、その大きさにも圧倒される。へー、ってぼけーとした返事をして、それぞれ適当にたのしく歩いた。

この地に来てから季節を楽しんでいる。

食も景色も気温も、すべて変わっていく。お店の人は旬な食べものを教えてくれる。ゴールデンウィーク明けはアスパラみたいで、ほんとみんな口を揃えて言うから少し笑えてしまった。

いいね、アスパラ。

 

わたしを支えてくれる自然たち  今日も明日も永遠に守って

 

うどん

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うどんの写真ってあんまり撮ったことないけど、良い。

 

佐綾と千草(前回の:卒業 - kiroku)がうどんを食べに行く話書きました。時間が前後しますが、卒業式より前の話です。↓

 

 

 ある日気づいたことがある。

 私とマヤの組み合わせはよくあって、マヤと佐綾の組み合わせは絶対だけど、私と佐綾でどこか出かけたことが今までにあっただろうか。学校で二人になることは勿論ある。遊びにとか、ご飯を食べに行くとか、正直したことないんじゃないかって、ふとそう思った矢先だった。

「今度一緒にお昼食べに行こうよ」

 廊下を歩いていたら佐綾と会って、思い出したかのようにではなく、このことを伝えるために来たかのようにはっきりと食事に誘われた。どこに行こうかと尋ねたら珍しくもう決まっているらしい。

「うどんって、普通のうどんでいいの?」

「もちろん」

「佐綾はああいうところ行かないかと思ってた」

「わたしも普通のJKだよ」

 佐綾はマヤと付き合い始めてから色々な言葉を使うようになった気がする。私たちは土曜日のお昼に、近くのイオンで待ち合わせることにした。

 

 昼時のフードコートはとても混んでいて、家族連れで溢れていた。特にうどん屋は安いし人気があるから大変だ。最後尾に並んだがいつお盆を取れるのだろうと前にいる人の数を数えていたら佐綾に「千草はやさしいな」と言われた。

 待っている間私たちは色々な話をした。

「佐綾はさ、マヤのどういうところが好きなの?」

「全部好きだよ。強いていうならわたしは少し意地が悪いからなかなかキスしないんだけど、ずっと待ってるからね、そのあたりとてもかわいいよ」

「なんだ、惚気か」

「千草が聞いてきたんだよ」

「そうだった」

 佐綾は普通の人は言うのが恥ずかしそうなことも平気で言うし、マヤのたまに外で出る好き好き攻撃(私はそう呼んでいる)にも真摯に答える。そういうところがなんだか爽やかでいいなと思う。

 他にもたくさん二人のエピソードを聞いた。マヤからもらった誕生ケーキの底が焦げていたけど頑張って食べた話、罰ゲームで人生初めて一人でピザ屋に行って大量に注文してしまった話、マヤとゲームセンターで撮ったプリクラの数々。二人の未来はこれからも楽しいことだらけなんじゃないかと思った。

「あ、佐綾はうどん何にするか決めた?」

「わたしは釜揚げ」

「同じだ。すみません、釜揚げうどんの並を2つお願いします」

 

席について二人で「いただきます」と言ってから待ちに待ったうどんに箸を伸ばす。湯気がほくほくたつうどんを生姜とネギをたっぷり入れたつゆにつける。

「うん、おいしい」

「寒いときの釜揚げはサイコーだ」

「生姜はあればあるほど入れてしまうな。マヤともここ来たことある?」

「 いや、まだない」

「珍しいなー。真っ先に来そうだけど」

「マヤ曰くうどんは家で食べたいらしい。寒い日の夜にわたしの一人暮らし先で、鍋から食べるのがいいとのこと」 

「へー…。なんだかマヤらしいな」

「だからこの楽しみはとっておくことにしたんだ」

「そっか。…じゃあ、またうどん食べに行きたくなったら私と行こう」

「ありがとう。千草と出会えてよかった」

その後佐綾は黙々とうどんをすすった。私もつられてうどんをすすった。

 

 

 

うどん

 

卒業、その後

 

マヤ、佐綾、千草の卒業式後を友人が書いてくれました。

こちら↓

それから - 無響サイレン

 

わたしの手を離れて描かれる彼女たちが愛おしいーー…

ちらし寿司いいね。

科子、有子、幸さんの話も合わせてお読みください

 

続編もどんどん書いていきたい気持ちが溢れてきたので、これからもたくさん登場するかもです。