kiroku

不確かなこと

灯台へ



灯台へ


第一部「窓」

p.38~
遠くの砂丘を眺めやりながら、ウィリアム・バンクスは昔のラムジーのことを思い出していた。 ……  一群れのひよこをかばうように羽根を広げた雌鶏の姿がラムジーの目にはいったからで、彼はそれをスティッキで指しながら「いいねーーいいね」と言ったのだ。その他愛ない言葉は、ラムジーの中の素朴さや、小さな存在への思いやりを、奇妙なほどはっきり照らし出す力を持っていた。と同時にバンクスにとって、二人の友情は、あの田舎道のあの場所で終わりを告げたように思われた。ラムジーが結婚したのは、その後まもなくのことだった。それからあれやこれやがあって、互いの友情は何か気が抜けたような味気ないものに変わってしまった。どちらが悪いわけでもなく、いつの間にか二人の付き合いの中で   ……  しかし今こうして遠い砂丘と沈黙の対話を続けていると、バンクスには、自らのラムジーに対する愛情にはいささかの翳りもなく、たとえば百年もの間泥炭(ビート)層に守られて、唇の赤さを残したまま地中に眠る若者の遺骸にも似て、彼の友を思う気持ちは、鋭くみずみずしいまま入江の向こうの砂山の陰に静かに横たわっているようにも感じられた。        バンクスは、この気持ちをリリーにわかってもらいたかった。 ……  二人の関係がどんなものだったか、わかってほしいんです。本当に長いつき合いですが、ウェストモアランドの田舎道で、ひよこの前に羽根を広げた母鶏を見かけて以来、妙に気持ちがそぐわなくなりました。その後ラムジーは結婚し、それぞれ別の道を歩むようになって、会っても新鮮さはなくなったんですが、それはどちらかの所為という問題ではないはずです。


「どちらの所為でもない」というところがグッときて、その時起きてしまった出来事と時間が二人を自然と裂いてしまうことの人生の中での多さよ、、と自分の人生の中でも感じる。でも彼の愛は無かったことにはならないのを彼自身が感じてるところがいいな。


映画『ふたり』

大林宣彦監督作品、1991年公開の映画『ふたり』のページです。原作は赤川次郎
途中までみんな読めます。
 
この映画は「おすすめのゆり」で実加役の石田ひかりの声が可愛いと書きました。お姉ちゃんはいつも実加のそばで見守ってくれています。YouTubeに予告編があったので、是非見てみてください。
以下ネタバレになってしまうかも。
 
 
 

美少女戦士セーラームーン①

 
5月1日の文学フリマで書いた「おすすめのゆり」をみなさんとお話ししようの 『美少女戦士セーラームーン』コーナーです。
 
全5シリーズありますが、みなさんはどの時期が一番好きだったでしょうか。わたしはリアルタイムではなく再放送を従姉妹と見ていたのですが、無印とRの記憶がやっぱり一番強いですね。Sではるかさんとみちるさん(はるみちはる)にはまったのは、割と後だったと思います。SSは更にその後、Starsまで全て見終わったのは中学三年生頃だったと思います。
 

文フリが終わって

 
人生初の文フリは、動揺していました。コピー機に大事なファイルを忘れていったり、設営時間に間に合わなかったり、朝に事件が色々と発生しました。
会場で話していただいた方、身振り手振り大きくかみかみで、あと、ちんすこう食べながらの対応とかごめんない。買ってくださった方々、チラシをもらってくださった方々、ブースを見ていってくださった方々、ありがとうございました。
 
こちらに少しずつコーナーを増やしていきたいと思ってます。(実はまだ全然書けてません。本当は今日、すべて公開してかっこよく決める予定だったのに…)
 
感想などなど、メッセージお待ちしてます。
今日はみなさんお疲れ様でした。

文学フリマ東京 コ-27


5月1日に東京流通センターでおこなわれる第22回文学フリマに参加することになりました。
今回は大学の友人三人で「みんなのゆり」をテーマにそれぞれ、「おはなしのゆり」「まんがのゆり」「おすすめのゆり」を書きました。
わたしは「おすすめのゆり」担です。


みんな締め切り大幅オーバーで今も進行中!笑
会場でお待ちしてます〜!